日本原産の代表的薬味野菜のミョウガ
日本で栽培されている野菜は約130種はありますが、日本自生の野菜種は1割もありません。そんななか国内各地に自生している野菜の一つにミョウガがあります。最近の栽培技術の進歩で、花ミョウガはほぼ周年的に、ミョウガタケは2〜6月に出回っていて、旬がわかりにくいですが、俳句歳時記には、茗荷竹は晩春、茗荷の子は晩夏、茗荷の花は初秋となっています。ミョウガは薬味野菜の代表ですが、薬効の記載があまり見られません。それどころか「物忘れ」の食物などと言われたりもしますが、それは釈迦の弟子が、ミョウガが美味しく、食欲が進み過ぎ、満腹のため眠気がさして、物忘れしたことによると言われています。ミョウガには大変な名誉毀損話です。
花ミョウガ、ミョウガタケとともに特有の香気、色合い、辛味など、季節感のある薬味の王様です。つま物、吸い物、酢の物、揚げ物、漬物など多種多様の日本料理に広く利用されています。
(塚本洋太郎総監修(佐藤和郎執筆)園芸植物大事典より)
〔盗まるる庭に見ており茗荷の子 石川桂郎〕
ミョウガ(茗荷)の来歴
ミョウガはショウガ科ショウガ属の宿根性の多年草で、本州、沖縄の山麓陰地に広く自生しています。原産地はアジア東部の温暖地域とされ、中国東部、台湾、朝鮮半島南部、日本にかけての広域に自生がみられます。中国の栽培の歴史は非常に古く、斎民要術(502〜556)に性状、栽培法、用途の記載があります。しかし現在は、わが国のほかには、韓国の一部と台湾で知られているだけです。
わが国のミョウガ栽培の最初の記述は、3世紀の「魏志倭人伝」にあります。平安時代には広く食用に供されており、江戸時代には現在の栽培の原型がほぼ出来上がっていたものと考えられます。
(前田幸二:農業技術大系より)
ミョウガのタイプと栄養価
花ミョウガ、ミョウガダケともにカリウム、食物繊維の他には、栄養素として、エネルギー、糖質、蛋白質、脂質、ミネラル、ビタミンで目立って高含量のものはありません。しかし、独特のさわやかな香りと上品な辛味が珍重され、花ミョウガは夏から秋にかけての季節料理に、ミョウガタケは冬から春にかけての魚肉の添え物として、日本料理には欠かせない香辛料野菜です。
(一橋出版:五訂新版食品成分表より)
ミョウガの選び方と保存法
自然条件での茗荷は7〜9月頃に、地下茎の先に長さ5〜7pの長楕円形の花序をつけます。この花序は何枚もの紅緑色の苞で包まれた花序、すなわち花蕾(茗荷の子)を花ミョウガと言っています。したがって、花ミョウガの選び方のポイントは、@先端から花が出ていないもの(花が咲くと苦みが出る)、A中身がかたくしまっているもの、Bふっくらとして丸みのあるもの、C光沢のある赤みがあるもの、D中くらいの大きさのもの、Eキズのないものを選びます。ミョウガタケは3月頃に地下茎から発生する茎葉の芽を伸長軟化したもので、きざんで薬味や吸い物に利用します。ミョウガは乾燥すると香りがなくなるので、保存は乾かせないようにして冷蔵します。
(関根雄二:おいしい野菜えらび12か月より)
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